2018年1月25日木曜日
筋筋膜性腰痛
筋筋膜性腰痛とは、筋肉や筋膜に主な原因がある腰痛のことです。急性の腰痛(ギックリ腰)、また慢性化した腰痛の原因として重視されています。
筋筋膜性腰痛は、急性期でも慢性期でも、同じ部位に痛みが生じます。ただし、痛みの性質は異なります。
急性の筋筋膜性腰痛
急性の筋筋膜性腰痛は、いわゆるギックリ腰として発症します。重いものを持ったり、急に体をひねったりしたとき、ギックリ腰として発症します。
筋肉や筋膜に強い力が作用したり、過剰に伸ばされたりして損傷されます。この損傷に基づく炎症が病態の基礎となり、筋筋膜性腰痛が生じます。
症状の特徴として、
・ 片側性の腰痛が多くなります。
・ 障害された部位には、著明な圧痛が現れます。
・ 最初のうちは、痛みはひどくなくかもしれません。
・ 時間の経過とともに炎症が広がり、徐々に痛みも強くなります。
・ 急性症では、局所の熱感や腫脹がみられます。
・ 障害された筋肉を伸ばすと痛みが増強するので、健側凸の側弯姿勢となります。
慢性化した筋筋膜性腰痛
過緊張を持続する様々な原因によって慢性期の筋筋膜性腰痛はおこります。
たとえば、急性の筋筋膜性腰痛により、炎症に基づく循環障害がつくられます。
→ 循環障害が慢性化するなかで、結合組織が増殖したり筋膜が肥厚したりします。
→ 背腰筋がオーバーワークの状態に陥っても、異常な緊張や攣縮がおこります。
→ 筋肉の異常な緊張や攣縮は、血液循環を阻害します。
→ そして、酸素が不足したり疲労物質が蓄積したりして、慢性化した筋肉痛が現れます。
慢性化した筋肉痛による過緊張や筋肉の疲労が、さらなる痛みをつくるといった「痛みの悪循環」を形成します。
症状の特徴として、
・ 急性期と同様の筋肉部に、局在性の著明な圧痛や硬結が認められます。
・ ところが押圧したり伸張したりしても、急性期ほど激しい痛みは現れません。
・ むしろ「痛いけど気持ちいい」と感じます。
・ 動作に伴う激痛というよりは、常に鈍痛があるという状態です。
・ 熱感はなく、循環障害により周囲よりも冷たくなります。
複合症状への移行
筋筋膜性腰痛が慢性化するなかで、緊張度の増した腰椎は、反り返りが強くなります。腰椎の反り返りが強くなることで、椎間関節に負荷がかかります。
やがて、椎間関節性腰痛も混合した症状が現れます。椎間関節性腰痛を併発すると、下部腰椎‐殿部‐股関節周囲にも痛みが放散します。
また、椎間関節や椎間板の機能が低下すると、腰部が不安定になります。その不安定な腰部を支えようと、筋肉は過剰な緊張を強いられます。
こうして、筋筋膜性腰痛も増悪します。筋筋膜性腰痛は、筋肉の慢性化したコリ感にだけでなく、椎間関節や椎間板も関連しながら痛みをつくります。
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